アメリカのクラブ活動の思い出 行動力が出会いのきっかけに!【NY交換留学記 #12】

NY留学

こんにちは。2024年8月から翌年5月までの約1年間、アメリカ・ニューヨークのニューヨーク州立大学ストニーブルック校(Stony Brook University)に交換留学してきたこばやしです。

この記事を読んでいただいた皆さんに、留学してみたい!と思ってもらえるようにシリーズを書いています。また、これから留学することが決まっている皆さんの手助けにもなればと思っています。コメントや質問も大歓迎ですので、お気軽にどうぞ!

前回の記事では、留学3か月目にして生活が落ち着き、授業や予定にも慣れてきて、「だんだん留学生活が楽しくなってきたな」と思えた時期の出来事についてお伝えしました。

この留学中は、ボランティアやクラブ活動、イベントに積極的に参加してきました。そうした一歩がきっかけで、多くの出会いがあり、今も続くつながりも生まれました。ここで伝えたいのは、寮にこもらず外に出て、さまざまな挑戦をしてみる「行動力」の大切さです。

今回は、アメリカの大学で僕が体験したクラブ活動の様子と、思い出を紹介します。

クラブ活動は4つ掛け持ち!?

ストニーブルック大学では、イベント情報アプリを見るだけでも700以上の団体が活動しており、学期初めに行われるInvolvement Fair(新歓イベント)では、大学中央の長い通りが団体のブースで埋め尽くされます。それでもスペースが足りないため、ジャンルごとに3日間に分けて開催されるほどの規模です。

普段の大学内の長い通り。イベント時はここがブースと人で埋め尽くされる

そんな中から、僕は多いときで4つのクラブを掛け持ちしていました。といっても、日本の大学のように入部届けを出して毎回出席する必要はなく、「行きたいときに行けばいい」という自由なスタイル。課題や友人との予定があれば休んでも大丈夫で、気軽に参加できるのが魅力でした。

ストニーブルック大学には基本的に「入部」という概念がなく、幹部が中心になって活動を運営し、その他のメンバーは気軽に参加する。そんな柔軟さが特徴です。

特によく参加していたのは、

  • Taiko Tides(和太鼓クラブ)
  • Wolfie’s Big Band(ジャズクラブ)
  • Photography Club(写真クラブ)
  • Astronomy Club(天文部)

の4つ。それぞれの活動について紹介していきます。

Taiko Tides 和太鼓を通じてつながる心

Taiko Tides(たいこタイズ)は、ストニーブルック大学の学生による和太鼓グループです。

学期末に開かれる2回のコンサートや、他団体のイベントでの数回の演奏に向けて、毎週金曜日の午後6時〜10時まで練習を行います。練習場所は、音楽関係の教室が集まる Staller Center の地下室。

ある日の練習風景

留学初めの交換留学生向けウェルカムパーティーで日本人教授と出会い、その方が顧問をしているということで体験会に参加。既存メンバーに日本人はおらず少し驚きましたが、温かく迎えてもらい、続けることにしました。

指導は3・4年生の先輩と、アメリカ人と日本人の教授ご夫妻によって行われます。和太鼓未経験だった僕にとって、バチの持ち方や構え方など、基礎から丁寧に教えてもらえたのはありがたい経験でした。

「アメリカまで来て、わざわざ日本の文化をやる意味があるのかな?」と最初は悩んだものの、結果的に参加して本当に良かったと思います。日本文化を外から見つめ直すきっかけになり、また、メンバーは日本に興味のある人ばかりで、僕に積極的に話しかけてくれたり面倒を見てくれたりと、とても居心地のよい場所になりました。

10月初めには、世界的に活躍する太鼓奏者・林英哲氏の訪米コンサートを見に、フィラデルフィア近郊の Swarthmore College へ、マンハッタンでの渋滞も含め5時間弱のドライブ。途中でフィリー名物のチーズステーキを食べ、力強い演奏に感動したあとホテルに一泊し、翌朝ニューヨークへ戻るという小旅行もありました。

途中のPAで休憩。左端が僕
圧巻の太鼓の演奏

学期末には先生のご自宅で「End of Semester Party」が開かれ、おいしい日本食を囲みながらくつろぎの時間を過ごすことも。子どもの頃に友達の家でごちそうになったときのような、温かい雰囲気に包まれました。

そして1年の締めくくりには、大ホールでのコンサート「Surge」。卒業公演となる4年生たちが全力を注ぎ、最後のリハーサルは日付が変わる直前まで続きました。そんな中、僕にもソロパートを任せてもらい、太鼓の音を会場いっぱいに響かせることができました。

年度末コンサート「Surge」での太鼓の演奏

Taiko Tides は、アメリカでのもう一つの居場所を作ってくれた大切なコミュニティ。太鼓のバチは自分専用で、今も自宅で大切に保管をしています。たまに見て留学の日々を懐かしみます。次にニューヨークを訪れるときには、ぜひ立ち寄りたいと思っています。

Wolfie’s Big Band ジャズは国境を超える

大学のマスコットキャラクター Wolfie Seawolf にちなんで名付けられた学生ジャズバンド「Wolfie’s Big Band」

僕は中学生のとき、吹奏楽部や地元劇場のジャズバンドでトランペットやトロンボーンを演奏していたことがあり、ジャズは大好きな音楽のひとつでした。高校・大学ではすっかり離れてしまっていましたが、この機会にもう一度挑戦してみたいと思い参加しました。

Wolfie Seawolf

本当は金管楽器をやりたかったのですが、学生主体の団体で、できて間もない団体だったこともあり、楽器の貸し出しはなく断念。幸いクラブ所有のピアノがあったため、ピアノ担当として参加することになりました。

活動は、学期ごとにおよそ3回のコンサートに向けて練習を積み重ねていくスタイル。毎週木曜日と土曜日に、建物の地下の大きめの練習室で3時間の練習が行われます。ただし「絶対に出席」というものではなく、行けるときに参加すればよいラフな雰囲気で、とても通いやすかったです。

同じピアノパートには香港系アメリカ人の男女2人がいて、練習の合間に雑談したり、お互いの弾きたい曲を相談しながら分担したりと、和気あいあいとした雰囲気でした。

普段の練習風景
コンサートでの演奏。ピアノを弾いているのは僕。

もちろん、本番前のリハーサルだけは必ず参加して緊張感を持って臨むなど、メリハリもありました。土曜日はマンハッタンに出かけたり買い物に行ったりすることが多かったので、柔軟に参加できる仕組みはとても助かりました。

ジャズを通じて即興し合ったり、演奏を褒め合ったり、空き時間におしゃべりしたりする中で、留学後も連絡を取り合える友人ができたのは、このクラブのおかげです。

Photography Club 写真スキルの見せどころ!

スマホで風景写真を撮るのが好きだった僕は、写真クラブにも参加してみました。活動は月に2回ほどと少なめで、主に大学構内での Photo Walk(歩きながらの撮影会) に顔を出す程度でした。友人を誘って一緒に参加し、カメラを片手に構図を工夫しながら歩くのはとても楽しい時間でした。

印象的だったのは、図書館の壁に飾る写真を選ぶコンテストで、自由の女神を見に行ったときに偶然撮った「手すりにとまる鳥の写真」が入賞したこと。数か月間、図書館の勉強スペースに飾られて多くの学生に見てもらえました。

さらに、大学主催の写真コンテストでも、化学実験棟の非常階段を下から見上げて撮った写真が入賞。こちらは学生ラウンジに掲示され、普段から多くの学生が目にする場所に飾られました。

写真クラブで入賞した写真「Observation of Liberty」
大学主催写真コンテストで入賞した化学実験棟の非常階段の写真と僕

このクラブのおかげで、普段は何気なく見過ごしてしまう景色から美しさを切り取る楽しさを知り、写真を撮ることがより好きになったと思います。

Astronomy Club 星空の下で育む友情

小さいころから星を眺めるのが好きで、日本の大学では天文部の部長も務めていた僕。やはりニューヨークでも星空が恋しくなり、毎週水曜日の屋上観測会に参加していました。

日本では天気が悪く観測できない日も多いですが、ニューヨークは快晴の日が多く、なんと9割の確率で星を見ることができました。望遠鏡を使ってその季節の星座を観察したり、月のクレーターを見たり。大型ドームに設置された望遠鏡では、土星のリングまではっきり確認できたときは感動しました。

2024年10月10日には、アメリカ東海岸で予想外のオーロラが出現して、大学中が湧きました。知ったのが遅くて、ピークの時間は逃しちゃいましたが、寮の建物のそばからパシャリ。まさかニューヨーク留学中にあのオーロラが見えるとは思わなかったので、驚きました。

天文クラブメンバーが撮った大学屋上からのオーロラ
寮から見えたオーロラ

ひと通り観測が終わると、屋上で友人たちと星空の下で語り合うのも楽しみのひとつ。授業終わりにリラックスしながら交流できる時間は、留学生活の癒やしでもありました。

さらに、このクラブは大学外への遠足も盛んで、10月には車で1時間弱の Vanderbilt Museum(天文博物館) へ、11月にはマンハッタンの Intrepid Museum(イントレピッド海上航空宇宙博物館) への日帰り旅行に参加しました。交通費や入場料はすべてクラブ負担で、お昼ごはん代だけで楽しめるというのも学生にはありがたかったです。

ロングアイランドの海岸沿いにひっそりとたたずむ Vanderbilt Museum
マンハッタンのど真ん中に位置する Intrepid Museum

春学期になると友人と過ごす時間が増え、観測会に行く回数は減ってしまいましたが、このクラブがきっかけで多くの出会いが生まれ、仲を深められたことには本当に感謝しています。

まとめ

今回は、ニューヨーク留学中に参加したクラブ活動について紹介しました。

ストニーブルック大学のクラブ活動の魅力は、「入部」という制度がなく、好きなときに気軽に参加できるところです。日本の部活のような厳しさはなく、自分の都合や興味に合わせて参加できるので、留学生でも挑戦しやすい環境でした。

僕自身、和太鼓クラブをきっかけに「日本文化を外から見つめ直す」という経験をしたり、ジャズクラブで国籍を超えて音楽を共有したり、写真や天文クラブで趣味を広げたり。どれも行動力が生んだ出会いであり、今でも大切にしたい思い出です。

もちろん、相性が合わないクラブもありますが、まずは外に出て挑戦してみることが大切。寮にこもるよりも、積極的に顔を出すことで、きっと留学生活は想像以上に楽しく、充実したものになるはずです。

ぜひ、これから留学するみなさんも、自分から一歩踏み出してみてください。

次回の記事もお楽しみに!

コメント