こんにちは。2024年8月から翌年5月までの約1年間、アメリカ・ニューヨークのニューヨーク州立大学ストニーブルック校(Stony Brook University)に交換留学してきたこばやしです。
この記事を読んでいただいた皆さんに、留学してみたい!と思ってもらえるようにシリーズを書いています。また、これから留学することが決まっている皆さんの手助けにもなればと思っています。コメントや質問も大歓迎ですので、お気軽にどうぞ!
9月の前編では、英語で初めて受けた授業の感想や、実家暮らしだった僕が初めて自炊に挑戦することになった食事事情を紹介しました。まだ読んでいない方は、ぜひあわせてご覧ください。
そして、留学生活の醍醐味の一つが、授業のない週末や連休を使った旅行。僕もほぼ毎週末、外に出ては新しい場所を訪れてきました。
今回はその中から、初めて訪れた世界の首都・ニューヨーク、マンハッタン(Manhattan)での忘れられないエピソードと、ニューヨーク州の最東端・モントーク(Montauk)へのドライブ旅をご紹介します!
はじめてのマンハッタンは裸足!?
2024年9月2日、月曜日。この日はアメリカの祝日「Labor Day(労働者の日)」で授業はすべて休講。普段はイベントで賑わっているストニーブルック大学のキャンパスも、この日ばかりは静かでした。
そんな祝日を利用して、同じく日本から来た交換留学生の友人と、初めてのマンハッタン日帰り旅行に出かけることにしました。
大学最寄りのStony Brook駅からロング・アイランド・レールロード(LIRR)に乗り、乗り換え1回、約2時間の旅。終点のGrand Central駅に到着し、まずはタイムズスクエアで記念撮影。高揚感に包まれて、いよいよニューヨークの街歩きが始まります。

この日の最初の目的地は、ワールドトレードセンター展望台。その前に、近くのBurger Kingで昼食をモバイルオーダーしました。
タイムズスクエアからワールドトレードセンターまでは、地下鉄1番線で約15分。

MTAはカオス
ところが、このニューヨークの地下鉄が思った以上にカオスだったのです。
- 座席で横になって寝たり、奇声をあげるおじさんたち
- 赤ちゃんを抱えて物乞いする母親
- 壊れた車内の案内板とアナウンス。どこにいるかわからない
- 予告なしに突然閉まるドア
- 全体的に汚くて、古くて、暑くて、うるさい
- 携帯の電波が駅以外ない(やることがないので、彼らに付き合うしかない)
清潔な日本の鉄道に慣れた私たちにとって、衝撃的な光景ばかりでした。とくに1番線は「最もトラブルが多い」と言われており、実際に不安を感じながらの移動に。
私たちが目的地であるWTC Cortlandt駅に着いたとき、車内で暴れていた男性に気を取られ、アナウンスを聞き逃してしまいました。周囲の様子を見て慌てて立ち上がった友人に続き、私も出口へと向かいます。
しかし、そのとき…
突如閉まったドアに私の右足が挟まり、履いていた靴が車内に取り残されてしまいました。車内の女性が靴を拾ってくれたものの、やりとりをする間もなく電車は発車。私は、片足裸足でホームに取り残されてしまいました。
思いがけない災難にぼくも友人も大爆笑。
ショックと笑いが交錯する中、ここで待っていても女の人が反対側の路線で戻ってくるとも思えず、一応オンラインの忘れ物フォームに情報登録して、とりあえず片足で駅を出ました。
モバイルオーダーしたハンバーガーが私たちを待っている、Burger Kingへ向かいます。普段は気にもしない小さな水たまりをよけ、警察の横を変にドキドキしながら裸足で通り抜け、変な目で見られつつの徒歩移動。

靴探しの旅
やっとのことで着いたBurger Kingでは、清掃中の女性従業員が心配して声をかけてくれ、近くの靴屋を教えてくれました(実はこれが、大学以外で初めて現地の人と英語で会話した瞬間でした)。
ハンバーガーを食べたあと、友人に肩を借りてケンケンしながら向かったその靴屋は祝日のため閉店。その後も何件か靴屋を回ったものの、すべてシャッターが下りたまま。
World Trade Centerの展望台には、ドレスコードはないとしても、さすがに裸足では入らせてくれないだろうと思い、絶望に打ちひしがれて、閉まっている靴屋で立ち尽くしていたところ、通りがかった男性が「ZARAを試してみたら?」と声をかけてくれました。
「ZARAって靴あるの?」と半信半疑で向かった店舗では、なんと本当に靴を発見!
入口で警備員に怪しまれつつも、真っ黒に汚れた靴下のまま靴を購入。値段はもうどうでもよく、すぐに履き替えました。

皆さんも、マンハッタンで靴を失くしたら、こちらのZARAへ。
初めてのマンハッタンで、まさかの裸足体験。ほぼ毎週末は大学から出て、友人たちとおでかけを楽しんでいた留学生活。その一回一回が新しい経験を作り、思いがけない出会いを生み出してくれます。こんな不運も含めてどんとこい、という精神力を、この留学で得られた気がします。
右足の靴?そんなものは戻ってきませんでした。
実はこの出来事、一緒に旅した友人のブログにも載っているので、そちらの視点からもぜひどうぞ(笑)
ニューヨークの最東端にある街「モントーク」
「ニューヨーク」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、高層ビルが立ち並ぶマンハッタンの風景かもしれません。でも実は、ニューヨーク州はとても広く、北はカナダとの国境にあるナイアガラの滝から、東には「ロングアイランド」と呼ばれる細長い島が広がっています。私が留学していたストニーブルック大学も、そのロングアイランドの中央あたりに位置しています。
そんな9月の終わり、同じ時期に留学していた日本人の友人3人と、現地の学生1人とで、「ちょっと遠出してみよう!」という話になりました。
行き先を考えてGoogleマップを眺めていると、ロングアイランドの最東端に「Montauk Point」という場所があるのを発見。そこには灯台があるらしく、これは行ってみたい!と、地元学生の友人の車で1泊ドライブ旅に出かけることになりました。
どんな場所?

モントーク(Montauk)は、ロングアイランドの最東端に位置する小さな町で、ニューヨーク州の“いちばん端っこ”にあります。地図で見ると、アメリカ本土のギリギリにあるようなロケーションで、「The End(終わり)」や「The Last Resort(最後のリゾート)」というキャッチコピーがつけられているのも納得です。
ストニーブルック大学からは車で約2時間半、マンハッタンからだと3時間半ほどかかりますが、まっすぐ東へ進むだけのシンプルなルートです。
モントークは、6つの州立公園を有する自然豊かな観光地でもあります。特に漁業が盛んで、なんと「世界中のどの港よりも多くの海水漁業記録を持つ」と主張されているほど。
その中でも有名なのが「Montauk Point State Park」。ニューヨーク州の最東端に位置し、海に面した断崖やごつごつした岩場、そして歴史ある大きな灯台が見どころです。
町の面積は約48平方キロメートルで、東京の練馬区とほぼ同じくらい。その中におよそ4,300人が暮らしています。
モントークは、大西洋に面した自然の美しさと、1796年に建てられた歴史ある「Montauk Point Lighthouse(灯台)」で知られています。夏には、マンハッタンなどから週末を過ごしに訪れる人が多く、隠れたリゾート地として人気があります。サーフィンや釣り、トレッキングなどのアクティビティも豊富で、アウトドア好きにはぴったりの場所です。
ただ、9月中旬を過ぎると観光客の数も落ち着き、街は一気にローカルな雰囲気に。私たちが訪れたときも、人影は少なく、「観光地」というより、まるで“自然と向き合うための場所”という印象でした。
モントークへの初ドライブ旅
9月27日(金)、ストニーブルック大学の寮を出発し、いざモントークへ!
ロングアイランドを東西に横断するニューヨーク州道27号線をひたすらまっすぐ進んでいきます。道の両側には青々とした芝生と、アメリカらしい一軒家が点々と並び、映画に出てきそうな風景に心が躍ります。

やがて灯台の近くに差しかかると、目の前に広がってきたのは、ごつごつとした岩肌の断崖と、はるか遠くまで続く水平線。「ここって本当にニューヨーク州?」と思ってしまうような絶景に、都会の喧騒をすっかり忘れてしまいました。
今回の旅行では、Airbnbを使って宿を予約しました。宿は、モントークの西側にある「Fort Pond(フォート・ポンド)」という大きな池の近く。池の北には鉄道駅、南には街の中心部があり、静かでアクセスもよく、のんびり過ごすにはぴったりの場所でした。
モントークの街歩きとグルメ

街の中心部には、モントークのロゴが入ったTシャツやマグカップなどが並ぶ雑貨店、セブンイレブン、ローカル感たっぷりのレストランがいくつもあります。訪れたのが金曜の昼だったこともあり、お店の数に比べて観光客は少なめで、ちょっと贅沢な貸し切り気分に。
夕食には、地元名物の「ロブスターロール」を注文。価格は34ドル(当時約5000円!)と観光地価格でしたが、プリプリのロブスターの食感はさすが本場。少し量は控えめだったものの、旅の思い出にぴったりの一品でした。
Montauk Pointにはニューヨーク最東端の灯台
市街地からモントーク・ポイントの灯台までは、車で約10km(15分)。家や建物がほとんどない森の中を抜ける道を進むと、やがて海と空を背景に、白と赤の縞模様の灯台が現れます。

灯台とその周辺の博物館に入るには、チケット(大人15ドル)が必要です。
博物館には、灯台の歴史や、過去に行われた護岸工事の紹介があり、地元の技術や自然との向き合い方が感じられる展示でした。
灯台の高さは約34m。内部にある130段のらせん階段を登ると、頂上の展望スペースへ。煉瓦造りの壁を間近で見ながら登る感覚は、まるで歴史を歩くよう。道中には小さな展望窓があり、そこから海と森の絶景を楽しむこともできます。

そして最上階では、大きな回転式の照明(レンズ)が今も現役で動いていて、その光が周囲にゆっくりと放たれていく様子は圧巻。まさに、モントークの象徴と言える存在でした。
マンハッタンからは電車とUberで
実はモントーク、車がなくてもマンハッタンから電車でアクセス可能です。
ロングアイランドの主要都市を結ぶLIRR(ロングアイランド・レールロード)の終着駅が、まさに「Montauk駅」。マンハッタンの「Penn Station」から約3時間半、乗り換えは1回だけで、運賃は23.5ドル(2025年7月現在)です。
ただし、駅から市街地や灯台までは公共交通機関がないため、Uberやタクシーの利用が現実的です。
実は、12月にもモントークに電車で訪れたので、その様子も今後のブログで紹介する予定です!
まとめ
今回は、9月に訪れたマンハッタンとモントーク、2つの旅行を紹介しました。
毎回の旅行で、現地の自然や歴史、人との出会いがあり、どれも記憶に残る体験ばかりです。
留学と聞くと、どうしても「英語で授業を受ける」ことばかりが注目されがちですが、実際は外に出て、街を歩き、人と出会う中でこそ得られる気づきや学びがたくさんあります。
不運やトラブルも含めて、すべてが貴重な経験。それを笑い話にできる強さと柔軟さが、きっと留学生活のなかで育まれていくのだと思います。
次回の記事も、ぜひお楽しみに!
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