こんにちは。2024年8月から翌年5月までの約1年間、アメリカ・ニューヨークのニューヨーク州立大学ストニーブルック校(Stony Brook University)に交換留学してきたこばやしです。
この記事を読んでいただいた皆さんに、留学してみたい!と思ってもらえるようにシリーズを書いています。また、これから留学することが決まっている皆さんの手助けにもなればと思っています。コメントや質問も大歓迎ですので、お気軽にどうぞ!
前月、8月の記事では、アメリカへのお得なフライトや、ストニーブルック大学での寮生活、授業が始まる前の友達作りのコツについて紹介しました。
さて、9月は私にとって 授業と海外生活が本格的にスタートした1か月でした。
アメリカで初めて受ける英語の授業、人生初の一人暮らし、そして食事や生活のリズムへの適応……毎日が新しいことだらけで、1か月半が本当にあっという間に過ぎていきました。
この記事では、前編として「授業」と「生活(特に食事)」をテーマに、実体験を交えながらお届けします。
アメリカの授業ってどんな感じ?
まずは、秋学期に履修した5科目(13単位)を紹介します。
ストニーブルック大学では、留学生は特定の学部に所属せず、1年生から4年生までの幅広い授業を履修することができます。これ、他の大学だと普通は学部に配属されるので、この柔軟な制度は他の大学にはあまりない魅力だと感じました。
ただし、上級レベルの授業には「前提科目(Prerequisite)」が必要な場合が多く、日本の大学での履修歴を使って事前に許可を得る必要があります。そのため手続きがやや煩雑だったり、そもそも希望する授業が今年は開講されていなかったりして、今回は主に1〜2年生向けの授業を中心に選びました。
また、J1ビザの留学生は「12単位以上/うちオンラインは3単位まで」という、アメリカの大学共通の履修要件があります。
私は、英語で授業を受けるのが今回初めてだったため、無理をせず最低限の単位数に留めることにしました。(※振り返ってみると、もっと授業を取っても大丈夫だったなと感じています。今これを読んでいる皆さんも、あまり心配しなくて大丈夫です!)

取った授業一覧
Computing in Chemistry
化学分野に特化したPythonプログラミングの授業。大学院共通科目でやや難易度は高めでしたが、私にとってはまさに「これがやりたかった!」という内容でした。
内容は、実験のシミュレーション、データ処理・分析、可視化、レポート作成など。90分の対面授業が週2回あり、教授がスライドと実演を交えて教えてくれるスタイルでした。化学×プログラミングを学びたい人には最高の授業です。90分の対面授業が週2回あり、20人の学生を前に、教授がスライドを見せながらコーディングツールで実演する形で授業が進行していきました。

Digital Intelligence
Zoomによるオンライン授業で、計算人文学(Digital Humanities)の理論と方法の入門。Pythonを使って、詩や音楽などの芸術作品を解析し、それを社会的・創造的な課題に応用するという内容でした。
シラバスには難しそうな単語が並んでいましたが、実際には内容も評価も比較的やさしく、オフィスアワーでのサポートも手厚かったです。
課題は2週に1度のプロジェクト型で、決められた機能を満たすPythonコードを書くというもの。文系×プログラミングに興味がある人におすすめ。
Rethinking America
秋学期で一番楽しかった授業! 世界中からの交換留学生約25人と一緒に、現代アメリカ社会について学ぶクラスです。週2回90分の対面授業で、ディスカッション・ディベート・エッセイ・グループプレゼンなど、アウトプット重視の内容でした。
例えば、「大統領選とSNS」「テイラー・スウィフトと政治」など、今どきのホットな話題が多く、とにかく面白かったです。
毎授業前に指定された記事を数本読んで、授業内で扱うトピックについて慣れ親しんでおくのが宿題。授業内で扱ったトピックと関連した中間・期末試験がありました。
General Chemistry Lab I
実験室での化学実験の授業です。1教室に20人ほどいて、それが時間帯を分けて60教室ほどありました。化学・バイオ系学部の学生は必修で、その他理系学部(コンピューター科学など)は選択必修科目のようです。そのため、いろんな学部からたくさんの学生が集まっていて、実験の合間に他学部の学生と話したり、連絡先を交換したり、人脈づくりにもつながる場でした。
毎週、実験技法を一つずつ実践し、最後は「自分たちで採取した水の水質を分析する」というテーマでグループプレゼン。
アメリカらしく、とてもオープンな雰囲気でした。

Undergraduate Teaching Practicum I
過去に、絶対にとったほうがいいとおすすめされた、日本語のティーチングアシスタント(TA)として働く科目です。この大学には言語学の中に日本語学科があり、日本人の教授も数人いらっしゃいます。教授に招かれて、日本語の会話練習をサポートするTAとして働きました。
週6時間のオフィスアワーに来るアメリカ人学生に、日本語と必要に応じて英語を交えて会話練習を行います。
文化や言語の違いをどう「英語で説明するか」を考える中で、自分の中の知識を再構成して英語で説明する力が鍛えられたと感じています。
この経験で出会った学生とは今でも連絡を取っていて、人生の宝物のような関係になりました。この後、春学期にも同じポジションで働き、留学後も連絡を取り合うような大切な友人がいっぱいできた場でもあります。今後、別の記事で、別記事で詳しく紹介したいと思います。
初めて英語で授業を受けてみて感じたこと
授業内容の理解度は、おおよそ7割程度でした。聞き取れなかった部分や分からないことはそのままにせず、授業前後に質問する習慣をつけるようにしていました。授業中は、先生はパワーポイントをベースに話しているので、授業に関することでは基本的にノートを取る必要はなかったです。最初のほうは、先生が話していることの中で分からない表現があったときは、忘れる前にすぐにググって、意味を添えてノートをとるということをしていました。
たとえば、Rethinking Americaでは、ジェンダーや社会的マイノリティをテーマにディスカッションやディベートを行う場面があり、日本語でもすぐに答えるのが難しいような話題が多く、正直、かなり苦戦しました。
でも、完全に答えられなくても、相手の発言に補足を加えたり、逆に質問を返したりして、「会話に参加し続けること」を心がけました。
General Chemistry Lab Iでは、TAのインド英語のアクセントがとても強く、「何語…?」と戸惑うことも。何度も聞き直したり、周りの学生に確認したりしながら、なんとか理解を深めていきました。
総合的には、「授業、意外となんとかなってる」というのが正直な感想です。予想より少し簡単に感じる分、友達との交流や自由時間も楽しめているのがとてもありがたかったです。
来学期は、もっと上級レベルの授業にも挑戦してみたいと思いました。
英語が“きれい”に聞こえない?それでいい!
留学してすぐに一番驚いたのは、みんなが教科書やリスニング教材のような“きれいな英語”を話すわけじゃないということ。
早口な教授、超ヘビーなインド英語のTA、アメリカの地方出身の学生…とにかく、いろんなアクセントや話し方が飛び交っていて、「全然聞き取れない」こともたくさんありました。
でも、それが逆に面白くなってくるんです。
「完璧な英語でなくても、みんな堂々と話してる。なら自分も日本人アクセントが出ちゃっても堂々と話せばいいじゃん」と思えるようになり、英語に対する気持ちが少しラクになりました。
留学英語、ギリギリでもなんとかなる!
私自身、大学の英語要件をギリギリクリアして留学に来たタイプです。それでも、毎日授業に出て、先生や友人と話しているうちに、英語は自然と身についてきました。
「英語で授業、大丈夫かな…」と不安に思っている人にこそ伝えたいのは、“意外となんとかなる”し、むしろ想像していたよりもずっと簡単だったということ。
もちろん努力は必要ですが、「英語が苦手=留学できない」ではありません。これは自信を持って断言できます!
アメリカのキャンパスフードってどんな感じ?
「料理ゼロ人間」からのスタート
生まれてこのかた20年間、料理も洗濯もしたことがなかった私。
留学前は、家族や友人から「本当に大丈夫?」と心配され、自分でもかなり不安を感じていました。
そんな私が最初に選んだのは、学期中無制限で大学のダイニングホール(バイキング形式の食堂)を利用できる「Wolfie Standard」というミールプラン。
価格はなんと $3,150(当時のレートで約50万円)。いや5か月でこれはさすがに高い!
実際に食べてみると、
- 見た目はまあまあだけど、味がびっくりするほど薄い/変な風味が混じってる
- 日本の学食とは全く別物
- 1年生は寮にキッチンがないので、このミールプランの加入が必須

そんな中でも「もう食べたくない!」と感じる学生が多く、毎日別のレストランに通ったり、Uber Eatsに頼ったりする人もいるくらいでした。
意外と自炊いけるかも…?!
そこで私は、せっかくの留学を「生活力を育てるチャンス」だと前向きに捉えることに。
たまたま同時期に交換留学に来ていた料理上手な女の子に頼んで、寮に来てもらい、
包丁の使い方、米の炊き方、カレーの作り方など、完全ゼロから料理を教えてもらいました。
9月中旬には、
- レシピを見て一通りの料理ができるようになった
- 毎週末、無料シャトルバスで近くのスーパーへ行くルーティンができた
- ミールプランを無制限$3,150(約50万円)から、約50回分$800(約13万円)にダウングレード。しかも次の学期にも持ち越せた
- スーパーでの食費は月3万円以内に収まるようになった


という感じで、食生活がかなり改善しました!
小さな成功体験が、自信に変わる
もちろん、レシピと違うことをしたら後戻りできなくなったとか、まだうまくいかないこともありますが、
- コンロで炒めながら、電子レンジと皿洗いを同時にこなせたとき
- 授業の合間に洗濯と乾燥をぴったり終えられたとき
そんな小さな成功が、「自分もやればできる」という自信につながっていきました。
まとめ
今回は、
- アメリカの授業は想像していたよりもずっとやさしい。でもインド人アクセントは手ごわい!
- 大学の食堂は微妙だったので、自炊にチャレンジ。無制限プランは早々にダウングレード!
といった、授業と食事を中心にお伝えしました。
これは、当時のレポートに書いていた言葉です。今振り返ると「毎日外に出る」というたったそれだけの目標が、
世界中に友人ができて、毎朝チャットを開くのが楽しみになっている今の自分につながっているんだなと感じます。
今月の【後編】では、ニューヨークの観光・旅行編をお届けします。お楽しみに!
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