こんにちは。2024年8月から1年間、アメリカに留学するこばやしです。
ビザ・パスポート発行費、渡航費、保険、通信費、学費、食費、生活費、寮費…あぁぁ
留学って想像以上にお金がかかります。
交換留学だから入学金や授業料はかからないとは言っても、日本の大学の学費と留学先大学の施設維持費(これが結構高い!)を払わないといけません。
私の場合で計算すると、交際費を抜いたこれら最低限の費用で約450万円(2024年6月時点の為替レート)が必要です。しかも今、歴史的な円安ドル高の影響で、3年前の為替レートと比べると驚異の150万円(+約50%)増加していることになります😭
加えて、経済が堅調でインフレ率が高止まりになっているアメリカでは、為替レート以上の値上げが起きていることになります。留学先のストニーブルック大学の過去の施設維持費(ドル建て)の推移を見てみると、記録がある1999年から増加傾向で、特に過去3年間では+15%値上げしていました。
この負担大幅増を何とかできないかといろいろ調べたところ、給付型の奨学金を受けるという選択肢があることを知りました。
私は今まで、奨学金に対して、本当に優秀な一握りの人だけがもらえるもので、ほとんどの人には無縁な、私には関係ないものだというイメージがありました。調べてみて、普通の人でもチャレンジすれば届く範囲にあるというのは驚きでした。
そして私は、このたび『業務スーパージャパンドリーム財団』より、約200万円の給付型奨学金を支給いただけることになりました。
お金のせいで当初諦めていた有料のフィールドワークや実験科目をとることができ、本当に助かっています。
ここでは業務スーパー奨学金に応募したときのことを振り返ります。
また、業務スーパー奨学金とは併用できませんが、滑り止めのために調べて見つけた奨学金についても紹介します。
業務スーパーの給付型留学奨学金
2024年度の募集要項をもとに、簡単に説明します。
公益財団法人 業務スーパージャパンドリーム財団の『海外留学に係る支援』では、北米留学の場合、月20万円と一時金25万円の返済不要な奨学金が支給されます。
年間募集予定人数は約700名と、支給額の割には定員の多い、調べた中では最も優れた奨学金制度だと思います。
私の場合、24年9月〜25年5月までの9か月間が支給対象となり、奨学金180万円と一時金25万円の、あわせて205万円を支給いただきます。奨学金は、2か月に1回の支給です。
応募資格を得るには、主に以下をクリアする必要がありました。
その他様々な条件があります。ここではすべての条件や必要事項を記載していません。
詳細は、以下の公式サイトをご覧ください。
海外留学のほか、海外スポーツ大会への参加、国内スポーツ大会の開催、海外展示会への参加、日本食に関する海外ベンチャーへの支援も行っているようです!
一次審査は書類
一次審査では様々な書類を提出しました。
中にはすぐには用意できないものも含まれるので、余裕を持った準備が大切です。
これらをはじめ8種類の書類を用意し、大学の留学担当にメール添付で提出しました。直接財団の方とやり取りすることはなく、手続きはすべて大学を介して行われました。
私の大学への提出締切は、財団が設定した締切よりも8日早い2024年1月17日まででした。
大学によって提出方法や締切が異なると思いますので、大学からの案内を確認しておくと安心ですね。
申請書には何を書いたのか
申請書の様式は、財団のサイトでは公開されていないようです。私は大学の留学担当からメールでいただきました。
申請書の序盤は、経歴や連絡先など履歴書のような項目が続くのでスラスラ書けます。
特に考えて書かないといけないところは後半の、
でしょうか。様式のエクセルファイルでは、フォントが小さい割に記入枠が広いので、かなりの文字数が必要になります。私の場合、約6400文字でこれらの枠を埋めました。
内容は、このブログで書いてきたような『世界で通用する計算科学シミュレーションの研究者になる』という目標に対して、そう考える根拠やこれまでにやってきた&これからやりたいことについてより深堀りして、よりプライベートなものにしました。
なお、自己PRは、画像を交えて紹介したかったため、WordでA4 2枚の文書を作成しました。
書き方は、文系の方のほうがうまいと思いますが、私はまずすべて箇条書きで書いて内容や流れを吟味し、それぞれの項目に肉付けをしていくことで文章にしていきました。
「自分が本当に言いたいことは何か?」ということにフォーカスできるので、最初から完成形の文章を書こうとするとありがちな、中身の薄さ、一貫性のなさやダラダラ感を防ぐことができると思います。
最初はキツい作業に思えましたが、書き始めると意外にすぐ埋まってしまうものです。最終的には、推敲して枠内に収めました。
エクセルとは本来このような書類を作成するためのツールではないので、印刷したりPDFに書き出したりすると、編集時の見た目と異なって出力されることがある点には注意が必要です。
例えば、改行の位置が異なっていたり、字が枠外にはみ出て切れてしまったりなど。
提出前には、出力後の状態でしっかり見直しすると良いでしょう。
私は最初、PDF出力後の状態を確認しなかったため、最終行の文字の下半分が切れた状態で大学に提出してしまいました。大学の担当者の方が丁寧に書類を確認して気づいてくださり、修正できたので本当に助かりました。
長くなってしまったので、二次審査で神戸に行ってきたことと、そのときの旅行プランについては後編へ→
留学に使えそうな他の給付型奨学金は?
これまで奨学金について全く知らなかった私ですが、調べていくといろいろなものを見つけられました。
ただ、留学中は受給できないというものが多かったです。その中でも、留学に使えそうな、ある程度門戸の広い奨学金をいくつかピックアップします。
トビタテ!留学JAPAN
トビタテ!留学JAPANは、日本の文部科学省が主導する留学支援プロジェクトです。
業務スーパー奨学金と大きく異なるのは、インターンやボランティアなど、留学以外も対象になるという、応募資格が比較的緩い点です。
支給金額は、北米の場合、月額16万円と準備金(一時金)25万円、それに加えて授業料が発生する場合30万円が支給されます。ただし、一定の収入がある場合は減額されます。
私の場合は169万円の支給でしょうか。
私はこの奨学金にも応募していました。
業務スーパー奨学金よりも募集期間が後なので、業務スーパー奨学金のために書いたものをより時間をかけて改良して自信はあったのですが、書類選考で落ちてしまいました。求める人物像と異なっていたようですね。
私を落としたことを後悔するくらい成果を上げてきてやろうと、決意を固くできた良い機会と捉えています。
樫の芽会
交換留学を受け入れてくれる、割と定員の多い給付型奨学金というと、業務スーパーとトビタテの2つくらいしかないようです。
「樫の芽会」は、留学に特化した奨学金制度ではありませんが、留学中にも、修学中であると認められる場合には継続して貸与されるとのことです(よくあるご質問より)。その他の給付型奨学金との併用もできます。
年間2万円支給される奨学金は『給付型』なので返済は不要ですが、年間48万円支給される奨学金は『貸与型』で無利子での返済が必要です。ただし、返還一部免除の制度があり、一定の割合の貸与額の返済を免除されるようです。
キーエンス財団 応援給付金
キーエンス財団の応援給付金も、留学に特化した奨学金制度ではありませんが、採用されれば30万円の給付があります。1500名募集とのことですが、応募条件がほぼないので母数も大きそうです。
予備選考(1次選考)では、大学・学部・学科・入学年度・取得済みの単位数・給付金の用途などを記載します。
私はこれにも応募してみたのですが、予備選考で落ちました。
学歴、もしくは海外留学を全面に出した用途がよくなかったかな?という風に考えています。
毎年募集を行っているので、留学後にも再度チャレンジしてみようと思います。
本選考(2次選考)では、毎年異なるテーマに沿った800字以内の文章が課題として与えられるようです。
奨学金の検索サービス
今回利用した、インターネット上の奨学金の検索サービスは複数存在しますが、どれも一長一短があると感じました。その中では、トビタテ!留学JAPANの「留学奨学金検索」が一番見やすいように思います。
このように、給付金額や応募資格・条件が見やすくまとまっているので、いちいち団体のサイトに飛ばなくても概要を知ることができます。
一方で、検索条件の設定には不安な部分があります。例えば、こだわり条件に「所得要件なし」を入れると、所得制限のないはずの業務スーパー奨学金が検索結果から外れてしまいます。
もともと候補が少ないので、条件を絞らず見てみるのも良いと思います。
もうひとつのおすすめは、奨学金検索・応募ができるサイト「ガクシー」です。
留学に目的を限定せず、様々な企業や団体が実施している奨学金制度を検索でき、金額は少ないものの業務スーパー奨学金と併給できそうなものを探すことができます。
一方で、このデータベースの中には業務スーパー奨学金が入っていないようで、奨学金をきちんと網羅できているかには疑問が残ります。
結局、これだけ使えばいい!というような理想的な検索サービスは見つけられず、将来改善されたり、新しいものがでたりすると良いなーと思います。
現時点では、大学に相談したり、いろいろなワードでGoogle検索してみたり、複数の検索サービスを使ってみたりするのが良いのではないでしょうか。
まとめ
業務スーパー奨学金の一次審査の振り返りと、トビタテ!やキーエンスの奨学金についてお話ししてきました。
同じ年度に留学する大学の友人たちに聞くと、そもそも留学奨学金の存在を知らなかったり、面倒くさいといって前向きじゃなかったりと、せっかくのチャンスなのにもったいないなーと感じることがあります。
皆さんもまずは調べてみて、1つ応募してみてはいかがでしょうか。
メルマガシステムを稼働させてみました。メールアドレスを登録すると、新しい投稿がある際にお知らせメールが届きます。以下のフォームからぜひ😊
コメント